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「そもそも…あのオバハンは味が分かるのかね?試してみようか?」いくら俺も微妙と思ったとはいえ、不味い訳じゃないし…作ったからには美味いと言わせたい…だが、若にゃんに本当に味が分かるのかなんて怪しいもんだ…
最近は試作品や開発中の為、そんな俺に付き合ってオバハンは何でも良いから作ってと注文してくる…せっかくなら、このチーズが提案した酒で、オバハンの好きなジントニックを作って試してみよう♪とオバハンが気付かずダーツを投げてる間に、チーズとコソコソ相談しながら作ってみる事にした。
「ハイ…」いつも通りに…バレないように…オバハンに持っていく。
チーズと俺は、オバハンの反応を気付かれないようにワクワクしながら見ていた。
一口飲んでオバハンは黙った。しばらく様子を見ていると…
「……何か変えた?いつもと違うよ、このジントニ?私が変なのかな?マル、配合を間違えた?」その発言にチーズと目を合わせて笑った。
どうやらオバハンは、ただの酔っぱらいではなかったらしい。いつもとの違いに分かってくれた事でチーズも喜ぶ。
実はチーズは酒好きなようで、日頃は飲めないのだが、俺より酒に詳しかった。いつも美味いと飲んでるオバハンを見ていて、どんなのが好みなのか、俺が試行錯誤してるのを聞いて、どんな物を作りたいのか、チーズなりに考えたらしい。
オバハンは試飲はしてくれ、雑な感想はくれるが、酒に詳しい訳でない…まさかチーズがこんなにも酒に詳しい人だなんて、長年の知り合いだったのに、初耳だった。
そもそもこんなに話した事もなかった…元々、口数の少ないタイプと思っていたし、ダーツを辞めてしまった彼は、いつも仕事の用で顔を出すぐらいで、滞在時間も短い…こんなに楽しそうなチーズをこの店で見たのは初めてかもしれない。
俺はゲームでいえば、新しい仲間を手に入れた気分だった。俺が手に入れたと言いたいとこだが、気付かないうちにオバハンが俺と酒の開発をしてる話をチーズに話してくれてたからだろう…オバハンの無意識な勧誘?人を巻き込む癖が功をしたのだった。
開発研究メンバーが増え…俺のヤル気は、より一層あがってきた。
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