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インポッシブル
久しぶりの大会…集まってるスゴい人数に、圧倒されそうになる…だけど、きっと相方のタバッチの方がもっと圧倒され緊張しているはずだ。
俺の今回のダブルスの相方は、前回の俺の店のハウスで大ちゃんが連れてきてくれた男の子…タバッチだ。彼は、まだダーツを始めて少しだし、もちろん大きな大会も初参戦だ…ここで、俺がしっかりしないと!
懐かしい…俺もマーチンさんと初めて出た時の事を思い出す。緊張を和らげてくれたのはマーチンさんだった…今度は俺がその役目をしなければ…
「よし、とりあえず飲むか!」姫と大ちゃんペアと互いの健闘を祝して乾杯した。
大会といっても、ダーツの試合会場では飲酒可能だ。飲みながら真剣に戦えるスポーツ…時にはテキーラマッチといって、負けた方はテキーラを飲まないといけないというのもある。本当にダーツは他のスポーツとは少し違う面白さがある。
各ペアずつ受付でエントリーの確認を済ませて気付いた…
まずはダブルスの試合から始まるのだが、ダブルスの予選が終わり、準決勝が始まり次第、シングルの受付とエントリーは終わって、シングルの予選が開始される…
という事は…ダブルスで準決勝まで残れば、シングルにはエントリーできないのだ…両方とも入賞…いや、優勝すると意気込んでいた俺の野望は、ここで不可能だと知ってしまった…と同時にオバハンの顔が浮かぶ。
まずい!これは、まずい!!非常事態だ!オバハンに怒られる!!想定外だったとはいえ…きっと前のS1でマーチンに言われたように、またも試合要項を確認してなかった俺に落ち度はあるんだが…
もう気にしてたって仕方ない!とにかく、勝って勝って勝ち上がってやる!!それしかない!この緊張感と盛り上がる雰囲気をつまみに、飲んで楽しんで結果を残すのみだ!気持ちの切り替えだって、ダーツにとっては大事な事だ。
そして、試合はスタートした…
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