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嘘や隠し事
「嘘つかれるのって嫌いなんだよね…隠すんならさ、もっと上手に隠すとか誤魔化したら良いのにね…」オバハンの呟く言葉に覇気がない。もっと面倒くさいオバハンらしい酔っぱらいの愚痴みたいな声が聞きたいのに…よっぽどのダメージだったのだろう。
「このダーツはネンジが買ってくれて、またダーツ始めようって一生懸命やってきて…このスニーカーも歩いて練習に行く為に選んで買ってくれたくれたやつだけど…何だろうね、みんなにしてるのかなって思っちゃうのは寂しいね…やっぱり嘘とか嫌いだな…」ため息をつきながら落ち込む若にゃんに俺は声をかけた。
「よし!今日は早く閉めて飲みに行くか!?」俺だって、ねぎらう気持ちがない訳でもない…いつもこの面倒くさいオバハンが来てくれるおかげで営業できてる日だってある訳だし、たまには還元してやろうと誘った。
あとは、俺だってアカリ姫をどう誘ったら良いのか悩んでるんだし、たまには逆に聞いてもらいたかった。
オバハンと言えど、一応は女子だし…女の立場からの意見やらアドバイスが欲しい。そもそもオバハンとアカリ姫は同じ性別なだけで、全く違う生き物なんだが…さすがに、この気持ちの上がらないまんまのオバハンでいられたら、周りからも何かあったと心配されてしまう。今やこんなオバハンが俺の店のマスコット?いや、名物ゆるキャラ?みたいなもんなんだから元気になってもらわないと困る。
と2人で飲みに出かけた居酒屋で、次々と知り合いに出会い…逆に何かあったと誤解され、噂どおり2人は付き合ってるとか思われるとも知らず…俺はオバハンと飲みに出た。
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