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「もしかしてお楽しみの途中だったのかな?」
「ええ。会話を楽しんでました」
寮長はくすくす笑ってドアの向こうから僕の方を見てひらひらと手を振った。
「元気そうで良かったよ。今度僕も部屋に招待してね」
「あ………。お見舞い、ありがとうございます」
僕がお礼を言うとハル君は大きな溜め息をついた。だって先輩だし寮にだし、そんな邪険にはできないよ。
「じゃあ僕は退散するよ。あんまりお姫様に構うとナイト君に殺されそうだ」
寮長が去って行ってもハル君の怒りは収まらないようだった。
「アイツ……俺が居なかったら絶対部屋に上がり込んでたぞ」
「入れないよ。寮長と部屋に二人きりになっても話すことないもん」
ハル君は僕の手を引いてぎゅっと抱きしめる。
「いきなり襲われるかもしれないだろう?絶対に部屋に入れたらダメだよ…」
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