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何度も見かけたこの光景は、またハル君が告白されるんだなと察する。
「今、雅美と話してるから」
冷たくあしらうハル君に、彼女泣きそうだ。
勇気をだして声をかけてきたんだから聞いてあげるだけでもちゃんと聞いて欲しい。
「ハル君、僕、飲み物買ってくるから」
「あ………雅美!」
ハル君が僕を引き留めようとしたけど僕はその場から離れることにした。
人の告白の邪魔になりたくないのと、ハル君が告白されるのを見たくないのと…。
ほぼ毎日誰かに告白されてるじゃないか。
その中の誰かをハル君が好きになったらどうしよう。
胸が痛い。
いや、これ、本当に痛い。
ちくちく何かに刺されてるみたいだ。
恋の痛みにしては生々しい痛みだ。
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