好きの気持ち

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「お!一条君!オレにも教えてよ~」 突然会話に割り込んできたのは同級生の川島君。明るい性格のスポーツマンで、原田先輩と同じ野球部に所属している。 ハル君の塩対応にも全然めげずに話しかけてくるので、最近はハル君も諦めて川島君とは話すようになっている。 「嫌だね。何で雅美との時間を割いて君に勉強を教えないといけないんだよ」 「えー、いいじゃん。どうせ勉強するなら一緒にしたってさ。ね!」 ハル君が冷たく断っても川島君はにこにこしていて全然こたえてない。 「ね、数学だけでもいいから!お願い!」 ハル君に向かって両手を合わせて拝む川島君。ハル君は心底嫌そうな顔をしているけど、きっと引き受けるんだろうな。 「………数学だけだからな」 ほらね。 ハル君はみんなに愛想がないけど、本当は優しいんだもの。 「やりぃ!じゃ、放課後よろしくな!」
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