好きの気持ち

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陽気に去って行く川島君の背中を見ながらハル君は溜め息をついた。 「アイツは……どうしてあんなに馴れ馴れしいんだ」 「ハル君、川島君と話してる時楽しそうだよ」 いつもクールで無表情なハル君が、川島君の前だと素直に感情を顔に出している。 僕も川島君は明るいしサッパリしてるので話しやすかった。 「楽しくなんかないよ。雅美と二人きりで勉強したかったのに……」 「寮に帰ったら二人で部屋でゆっくりしようよ」 パアッとハル君は嬉しそうな顔になった。 クールビューティなんて呼ばれてるのが嘘みたいに可愛いなぁ。 「家から美味しい紅茶を送ってきたので、寮で淹れてあげるね」 「楽しみ。僕も家から干菓子送ってきたから紅茶と一緒に食べようね」 ふふふと笑い合う僕たちをクラスメイトが遠巻きに見ている。 『尊い………』 女子がそんなことを言っていたけど何のことか分からなかった。
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