好きの気持ち

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寮長はまだ何か言いたそうだったけど、ハル君は振り返らず寮に入っていった。 「アイツ、本当に面倒くさい」 「寮長、確かに厄介だけど…モテるんだね。前の相手と違う人だった」 「物好きが多いんだな」 ハル君はそう言うと自分の部屋の鍵を開けた。中に入るように手招きしてくれたのでそのままお邪魔する。 ハル君の部屋はいつも綺麗に片付いていて、なんだかちょっといい匂いがする。 ハル君からいつもする柑橘系の香り。 ハル君の香りで包まれてるみたいで、この部屋に来るといつもドキドキする。 「雅美、紅茶淹れるね」 「あ、じゃあ僕着替えてくる。で、お菓子持ってくるね」 僕が立ち上がると後ろからハル君がぎゅっと抱きしめてきた。 「ハル君?」 「ごめん。急に抱きしめたくなった」 顔を見ようと振り返ると優しく口付けられる。
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