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「僕は寮長で三年の伊集院春樹。君たち、名前は?」
「一条晴です」
「八代雅美です」
それぞれ挨拶して寮長に頭を下げると、寮長は上機嫌にうんうんと頷いてくれた。
「二人とも綺麗で可愛い顔してるねぇ。僕は綺麗なものが大好きなんだ。君たちを歓迎するよ」
華やかな笑顔でそう言うと、指先で僕の顎から頬にかけてつうっと撫でてきた。
そのまま唇に指先を移動されて、どうしたらいいのか分からなくて固まってしまう。
いやって言っていいのかな?
でも、先輩だし寮長だし………。
困って何もできないでいると、僕の唇を撫でていた先輩の手首をハル君がいきなり掴んだ。
「おや?」
寮長は手首を掴まれても楽しそうな表情のままだ。
「…………嫌そうなんで、やめてやってください」
ハル君がそう言うと寮長は更に嬉しそうな表情になる。
「へぇ~。なるほどねぇ……」
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