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「あんまり……俺を煽らないでね」
ハル君は照れた顔をしてもう一度僕に優しいキスをくれた。
煽るって何だろう?
その後は夕ご飯まで二人でお菓子を食べながら美味しいお茶を飲んで楽しく過ごした。
ハル君、お茶を淹れるのもすごく上手。
夕ご飯の時間になり、部屋を出て食堂に向かおうとしたのだが……。
階段の踊り場のところでまた抱き合う人影を発見してしまった。
寮長……。
わざとやってますよね?僕たちの部屋の近くでわざと道を塞ぎましたよね?
「またアイツは……何の嫌がらせだ」
ハル君は大きな溜め息をつくと、近くのその階段は通らずに寮の奥にある階段に向かって歩き始めた。
奥の階段は食堂や大浴場に行くには不便で、普段あまり使われていない。
「僕、こっち通るの初めてだ」
「できればこっちは通りたくなかったんだけど……アイツに絡まれるよりはマシかな」
できれば通りたくなかった……不便だからかな。
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