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「ほら、お前たち部屋に戻れ」
原田さんに促されて僕たちは先輩方に頭を下げてから食堂を後にした。
これから毎日あの寮長と顔を合わせるの、ちょっと嫌だな…。
あの思わせぶりな触り方と舐めるような視線がすごく怖い。
笑顔なんだけど…怖いな。
「寮長には気をつけた方がいいな」
「ハル君もそう思う?」
部屋に向かって歩いているとハル君がぽつりと呟いた。
「雅美のこといやらしい目で見てた。誘われても絶対に行くなよ」
「え…………うん」
いやらしい目だったかな。
とにかく冷たい目だったような気がする。
誘われたって絶対行きたくない。
「俺たちが許嫁だって公表するか?」
…………………ん?
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