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「待って………。それってもう解消になったんでしょう?」
だって、男同士ってわかったじゃないか。
男同士で許嫁とか聞いたことないよ。
驚いてそう言ったのだけど、ハル君はもっと驚いた顔をしている。
「…………廊下で話す内容じゃないな。部屋で話すか」
それもそうだと、ハル君に誘われて部屋に入った。
僕の部屋と違って荷解きが完了していてきちんと片付いている。
座るように言われてベッドの上に腰掛けた。
「雅美は俺との許嫁解消したいの?」
「だって……男同士だよ?ハル君は許嫁が男の僕でもいいわけ?」
こんなにカッコよくてモテそうなんだもの。
おじいちゃん同士の約束を律儀に守らなくたっていくらでもお相手ができそうだよ。
「俺はずっと雅美と結婚するって思って生きてきたんだ。雅美が好きだ。今さら他の人となんて考えられない」
そう言って僕を真っ直ぐ見つめるハル君の目には迷いが全くない。
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