はじめての気持ち

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「まだ何かお話がありますか?」 ハル君の口調は最初から全然変わらず静かなままだった。 先輩達はそわそわしてもう立ち去りたい様子だ。 「な、なんだか誤解があったみたいで…ご、ごめんな?」 山口先輩がそう言うとみんな逃げるように去っていった。 ハル君は僕を振り返るとにっこり笑って「さあ行こうか」と、僕の手を取って寮の中に入って行く。 「ハル君、ありがとうね」 「親の名前を出すのは嫌だったけどね」 おかげで助かったな。 あのまま先輩達にネチネチ絡まれてたらすごく疲れそう。 そもそも寮長が変な集まりに誘うからこんな面倒なことになったんだよな。 寮長には関わらないようにしよう。 そう心に決めていたのに………。 「雅美君、お茶のお代わりはどうだい?」 なぜ僕は今、寮長とお茶を飲んでいるんだろう。
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