はじめての気持ち

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「えーっと、本類はこの棚で着替えはここね。下着類はこの引き出しで……」 ハル君はテキパキと僕の荷物を片付けて部屋を綺麗にしていく。 大会社の御曹司とは思えないほどの手慣れた感じだ。 「ハル君、片付け名人だね」 感心してそう言うと「何それ」と楽しそうに笑う。笑顔もとても綺麗だな。 初めて会った時は表情があまり無くて冷たい感じに見えたけど、ハル君はよく笑う。 優しいし……笑顔も多いし……落ち着いてるし。顔だってかっこいいしスタイルだって抜群なのに………どうして僕のことを好きって言ってくれるんだろう。 片付けるハル君を見ながら疑問しか浮かばなかった。 「はい。片付いた」 「うわぁ。ありがとう!使いやすく並べてくれてて助かる!」 綺麗にレイアウトされて部屋が見違えるようだ。僕一人じゃずっとスーツケースから物の出し入れしてたかも……。
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