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「雅美は俺だけのものなんだから、誰にもそんな可愛い顔見せないでね」
「か………可愛くなんかないっ!」
僕は必死でハル君の胸を押して抱きしめる腕から逃れた。
寮長も変だけど……男の僕に可愛い可愛い言ってエッチなキスしてくるハル君もだいぶ変だよ……。
「あ………この写真」
ハル君がベッドのところに置いてあった写真に気付いた。
もう飽きるほど見た小学生のハル君が写ってる僕の宝物。
まあ、ずっと女の子だと思ってたわけなんだけど。
「懐かしいなぁ。この頃俺、髪の毛伸ばしてたんだよね」
うん。だから間違えたんだって。
「俺も雅美の写真持ってるよ。すごい天使みたいなやつ」
「天使……?え、どんなやつ?」
「今度見せてあげるね。あの写真を見て、実際に雅美にも会って、将来結婚したいって思ったんだ」
ハル君はにっこり笑ってそう言ったけど…。
実際に会った?
僕たちは入学式の日が初対面じゃなかった?
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