はじめての気持ち

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「自分のことだって自分でちゃんとできないんだよ?ネクタイだって上手に結べないんだから」 「俺が全部やってあげる。ネクタイだって毎日俺が結んであげるよ」 「た、食べ物だって好き嫌いが多いんだ」 「雅美が嫌いなものは俺が全部食べてあげる」 僕が何を言っても嬉しそうに答える。 その目は愛しいものを見る目つきで、何を言っても僕のことを好きって言い続けそうだ。 「ハル君て……変わってるよ」 「雅美のことが大好きなだけだよ」 負けだ……。 これ以上何を言ってもダメだと思った。 見た目完璧なイケメンなのに……僕のことが大好きとか……。 女の子達がガッカリしそうだなぁ。 「さ、雅美。そろそろ夕飯食べに行こうか」
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