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差し出された手をつい自然に繋いでしまった。
そのまま手を引かれて食堂に行く。
朝の非難めいた空気がまたあるのかと思うと憂鬱だ。
ハル君は全く気にしてないみたいだな。
覚悟して食堂に入ったのに待っていたのは朝とは全然違う反応だった。
「一条君、こっち空いてるから座ったら?」
「一条君、よかったら食事お席まで運んでこようか?」
一条君、一条君とハル君のことをみんなやたらチヤホヤしている。
ああそうか。
ハル君の家がホテル王の家だったって分かったからか。
みんな態度変わりすぎて現金だなぁと思わずくすりと笑ってしまった。
笑った僕をハル君に群がる生徒の一人が驚いた顔で見た。
「君は一条君のお友達かい?名前は何て言うの?」
「え………八代雅美、です」
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