はじめての気持ち

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その後しばらくハル君は不機嫌なままで、遠くからチラチラとハル君を見ている生徒達も寄って来れなかった。 この綺麗な顔で不機嫌オーラ全開だと近寄り難いよね……。 「おや、痴話喧嘩かい?」 いた。 近寄り難いとか関係なく近寄ってくる人が。 寮長はにこにこしながら僕とハル君が食事をしているテーブルの横に立っている。 寮長の隣には華奢な感じの二年生がぴったりくっついていた。 「喧嘩なんてしてません」 ハル君は相変わらずの塩対応だ。 僕だったらめげてもう話しかけられないだろうに、寮長は全く気にしない様子で話しかけてくる。 「雅美君、彼に飽きたら僕のところにおいでね。君ならいつでも大歓迎だよ」 意味ありげに僕の頬を寮長が撫でる。 ぞわぞわして鳥肌が立ちそうだ。
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