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ガタンとハル君が椅子から立ち上がって寮長の手首を掴んだ。
「雅美に触らないでください」
「そんな怒らないでよ。ちょっと頬に触れただけじゃないか」
ハル君に手首を掴まれても寮長は全く動じていない。むしろ楽しそうだ。
新しい遊びを見つけた子どものようにキラキラした目でハル君のことを見ている。
それよりも寮長に寄り添ってる先輩がすごい目で僕のことをを睨んでいて怖いんだけど…。
「君は随分と雅美君に執着してるね」
「それは貴方もだと思いますけど」
一触即発の空気にどうしたらいいのか固まってしまっていると……。
いた!救いの神!
「は、原田先輩!」
僕が声をあげて食堂に入ってきた原田先輩を呼ぶと、原田先輩はすぐに気が付いてこちらに来てくれた。
ニヤニヤする寮長の手首を無表情で掴むハル君を見て、すぐに何かを察したようだ。
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