はじめての気持ち

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「ハルキ……。お前また新入生をからかって遊んでたな」 はぁとため息をつくと、寮長を羽交い締めにして引き剥がしてくれた。 「英介!僕は何もしてないって!離せって」 いつも余裕を感じさせる寮長が、原田先輩の前だと全く余裕なくされるがままに引き摺られていく。 なんだか気の毒な感じだ………。 寮長の姿が見えなくなるとハル君は再び席に着いた。 「雅美、大丈夫だった?」 「ほっぺた撫でられただけだから大丈夫だよ。ありがとう」 ハル君、寮長から僕を守ろうとしてくれたんだもんな。 でもあの時のハル君、ちょっと怖かったな。 「寮長、僕たちに絡むのに早く飽きてくれないかなぁ…」 あの人が絡んでくるからハル君は怒るし周りには変な目で見られるし。 原田先輩しか抑えられないみたいだから、原田先輩にはいつもあの人に張り付いていてもらいたいものだ。
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