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寮には各個室にシャワーブースがあったが、地下に大浴場もあった。
シャワーだけじゃなくて湯船に浸かりたいという要望で作られたそうだ。
「ハル君、地下のお風呂ってもう行ってみた？」
「いや。部屋にシャワーあるからね。………雅美、まさか行ったの？」
眉間に皺が寄って表情が曇る。
先を越されたとか思ったのかな？
「ううん。まだ行ってないよ。どんなのかなーと思って」
ハル君は僕がそう言うと険しい顔からホッとした顔になった。
他の人と話す時には無表情だけど、表情がころころ変わるんだよな。こっちのほうが人間味があって見ていて飽きないなぁ。
「雅美、絶対一人で大浴場行かないでね。俺と一緒の時か……できれば行かないでほしい」
理不尽だ……。
僕、お風呂好きなのに。
「何で？」
「だって………雅美の裸、誰にも見せたくないから」
ええっ！
そんな理由で？！
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