はじめての気持ち

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本当にハル君は……一日に何回可愛いって言うんだよ。 男としてのプライドが傷つくじゃないか。 可愛いよりかっこいいって言われてみたいよ。 食堂を出ると廊下の窓から綺麗な夕日が見えた。 学校は高台に建っているので遠くに海も見える。今度休みの日にあの海に行ってみたいな。 「ハル君、今度休みの日にあの海に行ってみない?」 海を指さすとハル君はすごく嬉しそうな顔をして頷いた。 「いいよ。雅美との海デート楽しみだよ」 デート? それってデートなのかな? まぁ、いいか。 部屋に帰ると机の上に置き忘れていたスマホが鳴っていた。 着信を確認すると………おじいちゃんだ! 『もしもし。雅美、元気かい?』 電話から呑気な祖父の声が聞こえる。 「おじいちゃん!ハル君のこと……男だって知ってたの?」
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