はじめての気持ち

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『知ってたも何も……。雅美に言わなかったかい?』 「言わないよ!誰も言わなかったじゃない!許嫁が男だなんて……すごくビックリしたんだからね!」 本当、先に教えておいてほしかったよ。 知ってたら………知ってたらハル君と同じ高校に入学したかな? ハル君とは出会ってなかった? 『それは悪かったなぁ。で、そのハル君とは仲良くやってるのかい?』 「仲良くは……してると思う。優しいし…かっこいいし……変わってるけど」 『雅美はハル君のこと好きかい?』 好き? いや、まだよく知らないし……。 キスはしたけど……好きだからってわけではなかったし。 気持ちよかったけど。 「よくわからないよ………」 『じゃあハル君をゆっくり知ればいい。案外大好きになるかもしれないよ?』 おじいちゃんとの電話が終わって、僕はぐるぐると色んなことを考えていた。 ハル君に好きって言われたり手を繋がれたりするのは嫌じゃない。 過保護すぎる気はするけどぼんやりしてる僕にはありがたいことの方が多いし。 キスだって………上手で気持ちいいし。
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