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「一条グループの会長と仲良しって……八代君ちは何やってる会社?」
ハル君と一緒にいるからって僕の家はそんなに大きな会社じゃない。期待されても困るなぁ…。
「うちは和菓子屋だよ。古いだけでそんなに大きくもないし……」
「和菓子屋?八代って……御菓子の八代?」
僕の家が和菓子屋だと言うと、周りの生徒もザワザワし始める。
「うん」
「すごい!あのアメリカの大統領がお取り寄せしてる店だろ?」
「あー、うん」
そういえばそんなことをおじいちゃんが言ってたな。
アメリカやらフランスやらの偉い人が無理な注文してくるから面倒臭いってぼやいてた。
「お取り寄せの注文しても何年も待つんだよな……八代君ってあの八代か~!」
そんなすごいことかな?
小さな和菓子屋なのに。ちょっとお店を大きくしてハル君ちのホテルに出店する話は出てるけど……僕たちが結婚する前提の話で。
「八代って江戸時代から続いてるんだろ?もっと前?雅美君、跡継ぎの若旦那なんだ」
いや。家は姉の冴子が継ぐはずだ。
姉さんは京都で和菓子の修行もしてるし。
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