君の笑顔

4/30
前へ
/270ページ
次へ
「てことはさ、八代君のお祖母さんて演歌歌手の八代みどり?!」 「うん」 僕の返事にクラスが更にざわめく。 おばあちゃんは演歌歌手としてそこそこ有名なのよと言っていた。 自分で有名って言うくらいだからたいしたことないと思っていたけど、本当に有名だったのか。 そこからは手の平を返したように、みんな僕のこともハル君と同様にチヤホヤし始めた。 話しかけてくれるのは嬉しいけど……。 疲れる。 非常に疲れる。 大統領に会ったことあるのかとか、おばあちゃんが家ではどんな服装なのかとか。 大統領なんて会ったことないし。 おばあちゃんなんていつも家ではスウェットの上下だし。 何て答えたらいいのかわからなくて曖昧に微笑んでいたら余計にグイグイくるし。 「雅美君て彼氏いるの?」 そこは彼女いるの?って聞くところでしょ? 「えっと………彼氏って?」 「こんだけ可愛かったら告白されまくって大変そう~」
/270ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3139人が本棚に入れています
本棚に追加