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ハル君は目を細めて嬉しそうに僕を見ている。こんなに子どもっぽいけど一緒に歩いて大丈夫なのかな?
「今日は自分で起きて支度できたんだね。偉いね、雅美」
頭を撫でられて褒められた。
当たり前のことをしただけなのに褒められてちょっと嬉しい。
「さ!行こう!バスがもうすぐ来るんだ」
学校前のバス停からバスに乗り込む。
車内にいた乗客が僕たちを見て息を飲むのが分かった。
モデル級のイケメンがバスに乗ってきたんだからそりゃビックリするよね。
このイケメンが僕の彼氏で許嫁だって…嘘みたいだ。
世の中には素敵な女の人がいっぱいいるのに僕がいいって言ってくれるんだから……幸せ者だな。僕は。
ハル君と僕はバスの一番後ろの席に並んで座った。
「雅美が可愛いからみんな見てるね」
「ハル君がかっこいいからだよ」
馬鹿なカップルみたいなやり取りをして顔を見合わせてふふっと笑う。
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