君の笑顔

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「ハル君、ちゃんと見てる?」 「見てるよ。海を見てる雅美が綺麗だなって」 な、何を言うんだ。 さらりとそんなことを言わないでよ。 何て返したらいいのかわからないじゃないか。 「もっと近くまで行ってみる!」 「雅美、濡れないように気をつけてね」 寄せてはかえる波を追いかけて水辺で遊ぶ。 時々逃げるのに失敗して靴はもうびしょ濡れだ。 四月の海水はまだ冷たくて。 濡れた靴がだんだん寒くなってきた。 「雅美、そろそろ上がった方がいいよ」 「うん。そうする」 砂浜の砂が乾いているところまで行って靴を脱いだ。 砂、あったかい。 こんなに靴が濡れてて帰りはどうしようかな。とりあえずその辺にあった棒を使って靴を乾かし始めた。 「靴、濡れちゃった」 「帰りは俺がおぶって行くよ」 「ええっ!いいよ!僕が勝手に靴を濡らしたのにそんな迷惑かけられないよ」 ぶんぶんと首を振ってお断りをする。 少し乾かせば大丈夫なはず。 「でも、乾くまでちょっとここで一緒に待ってもらってもいいかな?」
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