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ハル君は笑顔で頷くと僕の隣に腰を下ろした。
砂浜に二人で並んでしばらく黙ったまま海を見る。それだけなのに……楽しいな。
「楽しいね。雅美」
ふいにハル君がそう言う。
僕と同じ気持ちだったんだなと思うと素直に嬉しくなった。
「うん。デートって、特別に何かしなくても楽しいものなんだね」
デートスポットに行って写真撮って映えるお店に行って………そんなことしなくても十分楽しい。
ハル君と二人だから、だろうな。
「雅美と二人ならどこでも楽しいよ、俺は」
また僕が思ってたことと同じことを言う。
ハル君すごいな。
僕の心が読めるみたいだ。
休日の海なのにまだ少し肌寒いからか誰もいない。
僕は少しだけ大胆な気持ちになって砂の上に置かれたハル君の手に指を絡めた。
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