君の笑顔

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原田先輩は快活に笑って「今日はハルキとは一緒じゃないよ」と、安心させてくれた。 「アイツも今日はデートだと思うよ」 「ええっ!寮長って付き合ってる人いたんですか?」 まあ、黙ってればイケメンだし…。 変だけど物腰は優雅だしな。 彼女の一人くらいいても不思議じゃないな。 「特定の子はいないかなぁ。日替わりで付き合ってる感じだからな」 さ、さいてー。 原田先輩みたいな真っ当な感じの人が、どうして寮長なんかと仲良しなんだろう。 「先輩はどうして寮長と仲がいいんですか?」 僕が聞きたかったことをハル君が聞いてくれた。 「アイツとは幼なじみなんだよ。まあ、面倒くさくて厄介なやつだけど…腐れ縁だから放っておけないんだよな」 そっか。 幼なじみなんだ。 先輩に連れてこられたお店はまさかの高級料亭だった。 そうだよな……あの高校、お金持ちのお坊ちゃんが多いんだもんな。
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