君の笑顔

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お言葉に甘えて畳の上にごろんと横になる。 天井にも小花の彫り物が施されていて、あらためて凄い部屋だなと思った。 「雅美、この後はどうする?」 「街に降りて甘いものでも食べようよ」 お腹いっぱいで動けないのにまだ食べるの?と、ハル君が笑った。 だって甘いものは別腹なんだもん。 遠くに海の音が聞こえる。 他にお客さんがいないのかお店の中はしんとしていた。 「静かだね………。眠くなりそう」 「寝てもいいよ。俺が起こしてあげるから」 「食べ終わったんだから帰らないとお店に迷惑でしょ」 食べ物屋さんで寝ちゃうなんて有り得ないと思ってそう言うと。 「ここはそういう目的の人も使う部屋だよ。頼めば布団も敷いてくれると思うよ」 そういう目的って? 昼寝? 昼寝したい人が来るお部屋ってこと?
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