君の笑顔

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また熱が出るのかな。 海水はまだ冷たかったもんな……。 起きて薬を飲まないと。 息も苦しい。 早く起きて薬を……。 気持ちに反して体が鉛のように重くて動かない。困ったな。 家だとすぐにお手伝いさんかお母さんが気づいてくれるけど、ここは寮で個室だから自分で何とかしないと。 携帯の明かりを頼りにベッドから降りて少し歩くと目が回って全く動けなくなってしまった。 どうしよう。 目を閉じるとハル君の顔が浮かぶ。 こんな夜中に連絡して迷惑じゃないかな。 でも、助けてくれるのはハル君しかいない気がした。 携帯の履歴からハル君の番号に電話をかける。 コール音が鳴ったと思ったらすぐにハル君が電話に出てくれた。 『雅美?どうしたの?こんな夜中に…』 「ハル君……たすけて……」
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