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「……み。雅美…………」
ハル君の声がする。
ぼんやりした頭で目を開けると、僕を心配そうに覗き込むハル君と目が合った。
「雅美、大丈夫?熱は下がったみたいだけど……」
「ハル君、もしかしてずっと付いててくれたの?」
ハル君は柔らかい笑顔でそんなこと気にしなくていいと、僕の頭を撫でてくれた。
相変わらずの綺麗な笑顔だけど少しだけ疲れた感じで……ずっと看病してくれていんだと思うと胸がきゅっとした。
「もう大丈夫。たまに熱が出るんだ…でも薬ですぐに下がるから」
「無理しちゃダメだよ。昨日もっと俺が気をつけていればよかった…」
申し訳なさそうに僕の手を握るハル君に、逆に申し訳ない気持ちになる。
勝手に濡れて勝手に熱を出したのは僕なのに。
ハル君は全然悪くないのに……むしろ看病してもらって迷惑かけたのに。
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