大事なもの

4/25
前へ
/270ページ
次へ
「ハル君お願い。ハル君の家にもうちの家にも、僕が倒れたこと言わないで……。言ったら家に連れ戻されちゃう」 それだけは嫌だ。 家を出る時は寂しかったけど、今はもう戻りたくない。 僕はハル君の手をぎゅっと握ってお願いする。離れたくないと思いを込めて。 「…………わかった。でも、これからは無理しないで。体調がおかしいなと思ったら、すぐに俺を呼んで?」 「うん!ありがとう………」 ハル君は本当に優しいな。 でも絶対眠いよな。 きっと一晩中起きて僕のこと看てくれてた。 「ハル君眠くない?部屋にもう帰って休んできて?」 「雅美が心配だからここにいる」 きっぱりとそう言うハル君は立ち去る気は全くなさそうだ。 でもハル君が疲れて体調崩したら申し訳ないし………そうだ!
/270ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3137人が本棚に入れています
本棚に追加