大事なもの

6/25
前へ
/270ページ
次へ
ぴったりとくっついていると何だか安心する。 僕はまたウトウトし始めてしまった。 「ハル君も寝てね……おやすみ…」 こんな状況で寝れないよ…… ハル君が呟いた気がするけど、それは夢だったかもしれない。 次に目覚めた時は昼だった。 体はもうすっかり軽くなっている。 抱き枕が気持ちよくて抱き直した。 ん? 僕、抱き枕なんて持ってないよな…。 抱きしめている腕をよく見れば……そうだった!ハル君と一緒に寝てたんだっけ! 「雅美、起きた?」 優しく僕に声をかけるハル君は、寝る前よりさらに疲れている感じだ。 「ハル君、眠れなかった?ごめんね…僕だけまたぐうぐう寝ちゃって…」 「顔色よくなったね。俺はまた部屋で寝るから大丈夫だよ」 ちゅっと額に口付けられた。 くすぐったくて、ふふっと笑ってしまう。
/270ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3137人が本棚に入れています
本棚に追加