君の笑顔

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君の笑顔

翌朝もハル君に起こしてもらって…着替えも途中まで手伝ってもらった。 ネクタイを自分で結ぼうと頑張ってみたけど上手くできなくて、ハル君が横から手を出してきて綺麗に結んでくれた。 僕……本当にダメだなぁ。 せめて朝は自分で起きられるように目覚ましをもう一個買わないと。 「雅美、昨夜は喘息の発作が出たの?」 机の上に置きっぱなしだった吸入器にハル君が気付いたようだ。 「うん。ちょっとだけ……」 「今日は大丈夫?無理しちゃダメだよ」 昨日の発作が嘘みたいに今日は調子がいい。ハル君にそんな心配そうな顔をさせて申し訳ないな……。 「たいした発作じゃなかったし。もう全然元気だよ!さ、朝ご飯食べに行こ?」 笑顔でハル君を見上げると、まだ心配そうな顔をしながらも少し笑って「よし。行こう」と言ってくれた。
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