レベルアップしてる話

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レベルアップしてる話

「ねむい」 「俺の膝、使う?」 「ゲームし過ぎた」 「澤くんのスルースキルが上がった」 「授業起きてられたの奇跡だった」 「頑張ったねぇ」 「寝不足は自分のせいだからな」 「もっとてきとーでいいのに。そこもいいとこだけどさぁ」 「…もっと適当に、かぁ。そっくりそのままお前に返すよ」 「…そ、れは、遠回しに俺の真面目なところを愛してくれてるという、」 「何でもかんでも頑張っちゃうのはお前だろ。勉強とか運動とか、それ以外もさ」 「澤くんのスルースキルがまたレベルアップした」 「まぁ元々お前の要領がいいのかもしんないけどさ。…たまに、頑張り過ぎなんじゃないのかなぁって、勝手に思っちゃうときあるんだよな」 「どの口が言うんだか…」 「この口が言っています」 「…塞いであげようか」 「珍しく暴力的な藤倉」 「そういう意味じゃあないんだけどなぁ」 「ガムテープとか貼られるのかと」 「そんなことするワケ…というか出来るワケないじゃん」 「じゃあ手?」 「さぁ?どうでしょう」 「何か楽しそう?」 「そう見える?」 「ちょっと」 「ふふっ、澤くん眠いんだっけ。じゃあこのまんま俺の家来る?」 「何でそうなる」 「俺のベッド気に入ってるみたいだから、ちょっと寝てったらどうかなぁと」 「自分の家に帰る方が早いよ。あと気に入ってるとか言った覚えは…あったっけ?」 「ふふふっ」 「え、覚えてない」 「じゃあ確かめに」 「行かない。帰る」 「ちぇーっ」 「可愛くないぞ」 「ダメかぁ」 「また今度な」 「えっ」 「ゲームしよ。持ってくから」 「澤くんの攻撃力が…上がった…」 「何言ってんだか」
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