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予習と復習と、の話
「なぁお前ってさぁ、何してる時が一番幸せ?」
「今」
「え」
「今。この瞬間」
「食い気味に答えんなよ何か怖い…。まぁ確かに放課後って解放感あるよな」
「え、あぁうん。そうだね…。で、澤くんは?何してる時が一番幸せなの?」
「俺はー…そうだな、いつだろ。体育の授業とか、あとは…ゲームしてる時とかかなぁ」
「楽しそうだもんね。体育もゲームも」
「おう!両方楽し…って、俺、お前の前でゲームしたことあったか?」
「ふふっ、想像だよ。今日も帰ってまたゲームするの?」
「まぁ先に宿題片付けてからな。ってかお前は?いつも家で何してんの?」
「俺も宿題かなぁ。あと色んな予習と復習と、反芻」
「そっかー。お前も努力してんだなぁ。…え、はんすう?」
「うん。反芻」
「えと…何か深くは聞かないでおくわ…」
「あと、」
「まだあんの?お、何だ何だ。手がどうした」
「…あったかいね。手」
「そうかな。何かこういう自然なスキンシップに慣れつつある自分が怖い…」
「うん。これで今日はだいじょうぶ。多分」
「え、何が?」
「ふふっ、帰って予習と復習と、反芻するよ」
「………おう?」
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