気付いちゃった話

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気付いちゃった話

「ねぇ俺大変なことに気付いちゃったんだけどさ」 「なに?」 「あんま自分で言いたくないんだけど俺もしかして…澤くんに格好悪いとこばっか見せてない?」 「格好悪いとこ…?変態ちっくなとこならいくらでも心当たりあるけど?」 「や、へんた…いやそれもちょっと不本意だけどそうじゃなくてその…弱いとこっていうか」 「まぁ確かにお前って結構泣き虫だよな」 「うっ、やっぱり…。全然格好良いとこ見せられてない気がする…」 「そんなこと…うーん………。あ!そうだ!チンピラから助けてくれた時は格好良かったよ」 「ホント?」 「うん。ヒーローみたいだった。まぁその後はちょっと」 「あ、いい。いいです言わなくて。…やっぱ澤くんのことになるとダメダメだなぁ、俺…」 「そんなへこむことか?親しみがあっていいじゃん」 「ほら!そういうとこ!無自覚なのがまた質が悪い」 「え、何が?」 「澤くんが男前過ぎるから駄目なんだよ。いや駄目じゃないけど!いや、澤くんの所為じゃなくて、ええっとつまり」 「ちょっと落ち着こうか藤倉」 「俺のこと、どう思う?」 「え、変態」 「へん、いやもういっそそれは認めるけどさ…」 「そんな悩まなくても、お前は十分過ぎる程格好良いよ。ファンクラブあるなんてよっぽどだよ?もっと自信持てよ」 「澤くん以外に格好良く思われてもなぁ…別に」 「何お前、俺に格好良く見られたいの?」 「もちろん」 「何でまた…。ってかそういうこと自分で言っちゃう時点で結構アレだと思うけど」 「ですよね…」 「馬鹿だなぁ。そんな落ち込まなくても、お前はいつも真っ直ぐで格好良いよ。寧ろ俺的には色んな表情見せてくれた方が嬉しいし、これからも見せてよ。それじゃ駄目か?」 「それってプロポーズ?プロポーズだよね」 「は?え、ゴメン違うけど。どこをどう解釈してそうなった」 「いつも真っ直ぐで格好良いのは澤くんだよ。…タキシードと和服どっちがいいかな」 「えー、とゴメン。何の話?」 「プロポーズでしょ?さっきの」 「や、違うけど。頭大丈夫かお前」 「もう駄目だと思う」 「自覚アリ、か…。もう駄目だな」 「うん。だからしっかり見守っててね?俺のこと」 「うーん…。前向きに善処するわ」 「ふっ、じゃあ澤くんに飽きられないように俺も前向きに善処するよ」 「おー。まぁどっちでもいいけどさ。好きにしてくれ」 「うん。好きにする」 「………そのままでも十分なのになぁ」 「え、何て?」 「別に?なぁんにも」
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