手触りの話

1/1
前へ
/19ページ
次へ

手触りの話

「なぁー澤?ちょっと変なコト聞いてい?」 「何だよ、首なら別に痛くねぇぞ」 「痛くねぇんならいいけどさ、そうじゃなくってー。その、さ…藤倉くんの、」 「また藤倉か」 「うん。藤倉くんの髪ってどんな感じなのかなって」 「髪」 「髪。だってお前いつも撫でてんだろ?どんな手触りなんかなーって」 「いつもじゃねぇし、何故またそんな疑問が…」 「いやぁオレん家の隣にポメがいんの。そんでたまたま散歩から帰ってきた時に触らせてもらってさー。ふわっふわで超気持ちかったの。そんで藤倉くんはどうなのかなって」 「だから何故そこで藤倉。あいつはどっちかって言うとゴールデンレトリバーとかドーベルマンでは…?」 「まぁボルゾイもアリだよなぁ…じゃなくて、撫で心地!どうなのかなってちょっと聞いてみたかったの!ポメ!」 「いやいや、ポメラニアンには負けるだろ」 「え、ああ見えて意外と剛毛なの?」 「や、全然。ふわっふわでさらさらだし、一本一本細くて触ってて気持ち良い…って何か変態くさくないか俺。あいつのが移った…?」 「くさくないくさくない。でもそっか、ポメには勝てなかったかぁ」 「アフロにすれば勝てるかもな」
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!

201人が本棚に入れています
本棚に追加