ちょっと苛々した話

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ちょっと苛々した話

「うわっ、間に合わなかった…。ちょうど行ったとこだから電車、次10分後だ」 「ふふっ、そうだねぇ」 「何でそんな嬉しそうなわけ?」 「だってその間喋れるじゃん?」 「んっとにお前はぁ…ん?」 「あのすいませんっ!しゃ、写真撮ってもらってもいいですかっ?!」 「言っちゃった!言っちゃったよ!!」 「…写真」 「何で俺の方見るんだよ藤倉。撮ってやれば?どうせ電車まだだし」 「………分かった。澤くんがそう言うなら」 「やったぁ!お願いします!!」 「これで撮ってくださいっ!」 「はい、じゃあ並んでー」 「待て待て待て。何でお前がカメラマンやってんだ!お前と一緒に撮りたいってことだろ?!俺が撮ってやるからお前そこ入れ」 「あ、そういう事?はーい」 「わざとか…?まぁいいや。じゃあ撮るぞ。はい、チーズ」 「わあぁ一緒に写ってるー!ああああのっ!ありがとうございます!!」 「ありがとうございます!てか顔ちっさ!後で私にも送ってね?」 「あぁ、そこの子ちょっと待って」 「…へ?」 「髪に糸くず、付いてたよ?」 「あ、えと、あ、ありがとうござ、います…」 「きゃあああ!ヤバいヤバい近いよ!めっちゃ良い匂いしたっ!!」 「行っちゃった。元気な子達だったなぁ。本当モテるなお前。ていうか…」 「ん?どしたの?」 「いや、意外に優しいんだなって思って」 「えぇ?俺はいつでも優しいよ?あ!澤くんもしかしてやきも、」 「お、電車来たわ」 「あれぇ?おかしいなぁ…。さっき撮ってもらった写真が見当たんない」 「嘘ぉ?!」 「確認した時はちゃんとあったのに…?」
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