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「水中花」を恋愛で
次の獲物は祖父が職人に作らせた水中花だった。
怪盗カナリアとなって、また予告状を出しに行くと、1人の男の子と出会った。
「君が怪盗カナリア?俺は怪盗ナポレオン。水中花は渡さないよ?」
あたしも仮面を付けているが、その男の子も仮面を付けていた。
見つかったと思ったあたしは慌ててしまって高い塔の上から足を踏み外した。
もう終わりだと思ったが、ふわりとした感覚に包み込まれた。
「おてんばはほどほどに。」
怪盗ナポレオンに助けられたのだった。
顔も分からない男の子。
怪盗ナポレオン。
怪盗をしていればまた会える。
そしてわびの意味を込めて水中花は譲ることを決めたのであった。
「おじいちゃんごめんなさい。」
あたしはそう呟き、怪盗ナポレオンに言った。
「今回だけは譲ってあげる。でも今回だけよ!」
「愛らしい怪盗カナリア。また会えることを願おう。」
キザなセリフを吐き、怪盗ナポレオンは夜の闇に消えた。
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