第4話 池上優留(まさる)と田渕佑香 (その後)

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あくる日… 一番に池上課長は織田浩太に相談される事になる…… 「課長……私、何か田渕さんから嫌われているような気がするんです。 昨日も企画の打ち合わせをしたかったのに… 彼女は定時でサッサと帰ってしまいましたし… どうしたら良いでしょうか?」 「そうか……そんな事が…。 君には思い当たる節は無いと言うんだね?」 「まあ……思い当たる事が全く無い訳では無いのですが、これはプライベートな事だと思うので……。」 「何だね……言ってみなさい…。」 「あ……いえ、私の思い違いだと思うので……。 それより、新しい企画を進めないといけないと思うので、担当者の変更も考えていただけると助かります…… このままでは、上手くいかないのでは無いかと…。」 「分かった……私から部長へも相談してみよう…。」 ………………………… 「部長……実は新しい企画の担当者の件なのですが……織田君と田渕さんは 上手くいっていない様なのですが……。」 「そうか……人には相性っていうのも有るからな……やはり池上課長と田渕ペアでやってもらおうか……。」 「あ…はい、分かりました。」 ………………………… 「……………という事なので、新企画は私と田渕君でやってくれ…っていう事になったよ。」 「そうですか……お手数掛けました。 新企画のほう…宜しくお願いいたします。 今から引き継ぎさせていただきましょうか?」 「ああ……頼むよ。」 織田は資料を取りに行く際に… 「田渕さん……新企画は僕は下ろして貰って、 池上課長と田渕さんで やって貰うように成ったから……。」 田渕佑香は驚きと共に満面の笑みを浮かべた。 「やっぱり…田渕さんは課長とのほうが良いんだね…。」 織田は誰に言うでも無く…呟いた。 …………………… 次の日に織田には別の企画が振り分けられた。 「これを……一人でやるんですか?」 「まあ急な変更だから……取り敢えず やってみてよ。 問題が出たら 対処するからさ…。」 「池上課長って……田渕さんと……?」 「んっ? 何だね?」 さすがに課長の威圧的な返答に織田は黙った。 「いえ……何でもありません。」 [いつか……泣きべそ かかない事だよ] そう織田は心で呟いた。
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