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第6話 池上優留と田渕佑香(その後2)
池上と佑香のオフィスに手島和昭(てしま かずあき)という25才に成る…入社3年目の男がいる。
池上は手島が入社した時に面倒を見たという経緯があったので、ある程度…手島という男を知っていた。
「なあ……手島君、今日一杯やらないか?」
「ああ……良いですね。 では、久しぶりに ご一緒させてください。」
………………………
「田渕君、今日…手島君と一杯やるんたが……
一緒にどうだい……?」
「あ……課長と二人じゃ無いんですね……私は課長と二人が良いんですけど……。」
「ん……同じ課の者と呑むのも良いものだぞ……
見識が広がるからさ。」
「分かりました……。」
少し不服そうな表情を佑香は浮かべている。
…………………………
そうして……何度か手島や同じ課の者を交えてのアフターファイブを池上と佑香は過ごしていた。
「課長……最近 つれないですね……
私……女として魅力無いですかね……?」
「会社での人付き合いと田渕君の魅力とは別の事だと思うんだが……。 君は若くて未来が有るんだから……プライベートも楽しんだら良いんじゃないか?」
「課長は、私との関係に飽きちゃったんですね……。 私なんか魅力無いですものね。」
「田渕君、立ち止まる事も必要だよ……。
君の将来の事も考えてさ……。」
「課長……私の人生は私のものです。
誰にも指図を受けたく有りません…。
嫌ならイヤだと言ってください。」
「分かった…… 君の気の済むように生きれば良いさ……。」
どうしても…… と言う佑香の猛烈な誘いで2回程 付き合わされたが…… 気乗りのしない池上の態度に、段々とトーンダウンしてきた二人の関係となった。
1ヶ月もすると……佑香と手島が付き合っているという社内の噂を池上も聞いて、ほっと胸を撫で下ろした。
佑香には心から幸せになって欲しいと思ったのだ。
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