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貴美子は、それ以降も何度となく祐介に助けられた。
多くは酔っぱらいの男への対応だった。
やはり、貴美子は女だからか威圧的な態度に出る酔っぱらい客からの標的になった。
店の決まりでは店長が対応する事になっているが、貴美子が酔っぱらいに絡まれると…逸速く祐介が飛び出して行った。
その都度…貴美子は祐介に感謝し、いつか恩返しをしたいと思っていた。
「貴美子さん、今日も綺麗だわ……一度で良いからデートしてくださいよ…。」
[お堅い貴美子さんは…やっぱり乗って来ないよな~☆]などと祐介は思っていたが……
いつも助けてもらっているという恩を感じている貴美子は……いつしか
[食事だけなら良いかな……。]
と考えるようになっていた。
「祐介君……まあデートと言っても食事する位なら良いけどね~☆」
と貴美子は祐介の前で言うようになっていた。
祐介はお堅い筈の貴美子がデートしてくれる……という事で、思わずガッツポーズをするのだった。
そんな祐介の姿を見て……
[ちょっと期待させちゃったかな?]
と思ってしまう貴美子だった。
そうと話が決まると…祐介の行動は早かった…
貴美子の気持ちが変わらないうちに…と、その日の仕事終わりには二人の食事の約束の日程を決めていた。
「池上さん、次の月曜…休みでしょ…。
ご馳走してくださいよ。」
「ああ……そうねえ、良いわよ。
じゃあ…月曜の朝10時頃にする?」
「了解です。
じゃあ近くの◯◯駅の北口 ロータリーで朝の10時って事で…。」
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