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その2週間後にも祐介に貴美子はデートに誘われた…。
次には何もせずに……どうしてもと言われたらキスだけに留めるつもりでオッケーした祐介とのデートだったが…
祐介からの求愛は激しく……
貴美子は一度結んだ関係から、到底 祐介を拒否することは出来なかった。
二人は二度目のホテルを経験する事になる。
「何度か応じれば……そのうち飽きられる……
だって…私なんて、そんな魅力的って訳じゃないもの……。」
貴美子はそれくらいの考えでいた。
それに反して祐介の貴美子を求める気持ちは強かった。 ホテルに行く度に何度も彼女を求め……どこまで続くのか分からない快楽に身を焼いた。
そうして3ヶ月ほど二人の会瀬が続いたところで……
新たな問題が飛び込んできた。
………………………
二人の関係に波紋を落としたのはパート先のファミレスにバイトで入ってきた学生アルバイトの大垣芹那(おおがき せりな)という…
祐介と同級生の女の子で…
彼女が祐介に興味を持ち始めたからだ。
芹那は祐介と同級だから話が合ったし…
二人の会話に16も歳の離れた貴美子が入っていくのは簡単な事ではなかった。
それでも、祐介は芹那と話している最中でも…
貴美子から声を掛けられると…ちゃんと返答を返してくれた。
逆に芹那には…それが面白くない事になっていったのだろう……。
芹那は年若いと言えども女の勘が働いた。
祐介と貴美子は…ただの同僚の関係だけでは無いと見抜いていた。
その証拠に祐介は貴美子の休みに合わせて…休みを取っていたし…
ある時は控え室で貴美子にキスを迫っている祐介との二人の場面に出くわした。
それならば…
芹那も他に彼氏を見つければ良い事だったが…
彼女の心の中に『不倫はダメ…絶対!』という気持ちがあり、芹那は二人の関係を正す事で正義を貫こうとする気概があった。
「池上さんって……結婚されてましたよね…。」
「ええ……もう12年になるわ。子供も11才になるし……。」
「既婚者が若い男の子を好きになって関係を持ったら……それって不倫って事ですよね。」
大垣芹那の言葉は池上貴美子の心にダメージを与えた。
「証拠も無いのに……そんな事を言うなんて無責任だわ。 それに100歩譲って…そうだとしても、貴女と何の関係があるのかしら。」
貴美子も言い負けるのは嫌いだった。
それからの貴美子が祐介との交際に慎重になったのに対して……
「フンッ……吠え面掻かない事ね!」
そう言った芹那には…貴美子を傷つける計画が浮かんでいた。
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