満開の、サクラシジミ

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「普通はこんなに近い枝に、まとまって留まらないよ。」 「彼らは臆病な生き物でね。いつもまとまっていないと冬を越せないんだ。」 「だから、今回はとてもラッキーだったね」 私は、お兄ちゃんから綿玉を手渡される。 ふわふわの手触りが、少しくすぐったい。 両手は桜色の塊で、すぐにいっぱいになった。 「来年もまた来ようね」 私はゆっくりと頷いた。
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