真の幸福は孤独なしには有り得ない

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「逆に僕は天国に住む天使でしたから環境も心の中も明るい光(ハレ)に満たされていましたが、自由の意思を貫こうと環境も心の中も明るい光(ハレ)に満たされた仲間たちから逃れ、自分の知らない孤独を欲し求めて環境も心の中も暗い汚泥(ケガレ)に満たされた人間たちが住む地上に舞い降りて来たのです。そして堕天使となった僕は、この穢土に於いては孤独になり自由になり真の幸福を勝ち取ったのです。何で孤独なのに幸福なんだと思うかもしれませんが、嘗てチェーホフがいみじくも言いました。真の幸福は孤独なしには有り得ないとね。まあ、孤独になれる程、潔癖で孤独を楽しめるだけのアイデンティティーとインテリジェンスとインディペンデントスピリットがある人にしか当て嵌まらない言葉ですから俗人にはピンと来ないでしょうけどね。因みに僕の名はルシファー。光を齎す者です。」
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