もしも

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もしも

例えば、世界の形が缶詰だったら おはよう。目を開け、起き上がる。 カーテンと窓は開けない。 外は危険だから。 メールを開く。 「おはよう、良い朝か?」 見知った仲間が返事をくれる。今日も元気そうで何よりだ。 くだらない地球戦争が起きて、最悪な兵器がどんどん使われて。植物は枯れて、動物は骨になった。異常な病気が蔓延して、一部の大人はどうしてそうなったのか言い合いをしていたが、人の勝手な行いが招いた結果としか言いようがない。 俺たちはそれぞれ部屋へ押し込まれ、何年後かに開かれる扉を見つめていた。 期間限定の安全。 その期間分は食料もある。 じゃあ、その後は? 扉が開かれた先にあるのは光か闇か。 時々思う。俺のいる世界は缶詰じゃないかと。 密閉されて完成された空間。 蓋を開けば腐敗が始まる。 缶詰の中は時間が止まっているんだ。 缶詰の蓋が外から開かれるとき。 その隙間から射し込むものは何なんだろう。
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