その命、真紅につき

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少し灰色がかった瞳はやっぱり綺麗なんだ。 吸い込まれるように顔を近付ける。 「本当にいいの? オレ、メンヘラだよ」 「知ってる。あとストーカーだしな」 「結構その……妬いちゃうタイプだし」 「知ってる。あー、暴走しそうだな」 こいつのムカつく所は嫌ってほど知ってる。 「今度は好きなところ、増やしていけるよな」 ポジティブに考えたらそうだ。 そう思わないと、こんな頭おかしい事出来ない。 ……自分を脅してレイプしてた男を恋人にするんだぜ? しかも生徒で10歳ほど年下。 頭おかし過ぎてクラクラするなぁ。 「ありがとう……優希。オレのモノになってくれて」 「ははっ、じゃあお前も俺のモノな」 俺だって。それなりにあるんだぜ、執着心。 ―――ベッドの枕元に軽く手をついて、ゆっくり距離を詰める。 「ぅん……」 「ん」 啄むようなキス。リップ音すら鳴らないそれは、まさにガキのするやつだ。 まぁ良いだろう? 俺の恋人はガキなんだから。 「愛してる」 「知ってる」 俺たちはこの白くて四角い部屋で、小さく笑った。
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