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料亭の席でお茶を飲みながら話を聞くと、後藤は年に数回は1人で京都を訪れるらしい。よほど京都が好きなのだろう。
「昔からある寺院や建物が好きでね。本当は社会の先生になりたかったんだ」
後藤はあどけなさの残る顔に笑顔を浮かべて言った。
颯一郎は話を聞きながら、今の状況を冷静に考えてみた。
これは…もしかするとデート…?
颯一郎の鼓動はまた早くなったが、後藤と一緒にいられる瞬間にこの上ない幸せを感じていた。そしてこの空間に安らぎを覚え始めていた。
2人は食事をしながら語った。
学校の話は微塵もせず、京都や料理、将来のことなどを話した。
気が付けば1時間を優に過ぎていた。
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